前回、旅むけのミニマルなパッキングの記事で軽く触れていますが、とにかくかさばる衣類のボリュームを最小限に抑える方法について書いてみたいと思います。
目標とするボリュームは大体以下の通り、握り拳大の1Lドライサックに詰め込みます。

ちょっと前までは大荷物

この状態に至る前の、まだキャリーケースを使っていた時期はこんな大荷物で移動していました。
ビジネス用として革靴まで持ち歩いていたことがあり、引越しでもするのかと思わされます。

真ん中の金属の円柱はチタン製のアウトドア用マグカップです。
出張にマグカップはいらんだろと自分でも思いますが、これがあることによってちょっとだけサバイバル感が出たりして、つらい出張の気が紛れると思っていたものです。
よくよく考えれば出張がつらい理由のひとつに、「荷物が重いから苦痛」というのがあったわけですが、当時は気づかなかったんですよね。

このRIMOWA のキャリーも気に入って使ってはいたのですが、今となっては家族と海外に行く時くらいしか使いません。32Lもの容量があるこのキャリーケースを引きずりながら、東京の地下鉄の階段を上がったり下がったりしていれば、そりゃつらくもなりますよね。

なぜ衣類は重たいのか

なぜそんなに衣類は重たいのでしょうか。
現代生活においては日常的に槍や弓矢を防ぐ必要はなく、重厚な装備は不要なはずなのですが、なぜか旅の荷物は衣類で重くなりがちです。

答えは至極当たり前に、着替えをいっぱい持っていくからです。
一枚一枚はそこまでの重さではないはずなのに、日数分の着替えを用意してキャリーケースに入れたときの重さと言ったら。。
タンスの引き出しを一段持ち歩くのと同じで、重いのは当たり前です。

どうしたら着替えを持たずに暮らせるか

では重たい着替えを持たずに、身軽に長期間旅するためにはどうするべきだと思いますか?
これも簡単。洗えばいいんです。

私は1週間を超える移動の際、着替えは最大で2-3日分程度に抑えた上で、この「モバイル洗濯セット」を持って行くことにしています。

セット内容はこの3つ

  • 洗濯用洗剤
  • アウトドア用のロープ(細引)
  • スクラバウォッシュバッグ

これらを丸めてスタッフバッグに収納するとこんな大きさになります。重さは約240g
もっとギチギチに入れればひとまわり小さくなりますが、すこし余裕を持たせています。

スクラバウォッシュバッグは、アウトドアでも使える手洗い洗濯ツールです。
頑丈な袋の内側に突起が施されており、このイボイボが洗濯する際に効果的に汚れを落としてくれるものと思われます。
ホテルの洗面台を使った洗濯も可能ですが、衛生面など若干気になる宿も中にはあるので、スクラバを持って行った方が安心ですね。

メーカーのYoutubeチャンネルには、様々なシチュエーションでスクラバを使ってスタイリッシュに洗濯する人々の動画がたくさんありますので、興味があれば検索してみてください。
結構シュールで笑えます。

モバイル洗濯セットの使い方

洗濯したい衣類を洗剤と水を入れたスクラバウォッシュバッグに放り込んだら、あとは洗濯機になった気分でモミ洗いするだけです。
説明書を読まずに捨ててしまう私のような人間でも、本体にピクトグラムで使い方が書いてあるので迷うことはありません。

衣類の量と対応する水位も書かれています。
そんなに大量の洗濯物を洗うようにはできていませんので、量には注意しましょう。

バッグの口をクルクル回してバックル でとめるロールトップ形状になっていますが、慣れないうちは高確率で水漏れするので、ホテルの浴槽で使うのがおすすめです。
3分ほどモミモミしたら、排水して真水ですすいでおきましょう。

洗ったらあとは干すだけです。
この手のロープ(細引きとか張り綱と呼ばれます)は、アウトドア用途だけあってポリエチレンなどの吸水しない素材で作られており、洗濯物を干すのに最適なんです。
アウトドショップでお好きな太さ・長さを指定して買うことができますので、5mくらいの長さで買って自分で切って使うと良いでしょう。

写真は失礼ながら下着ですが、シャツとランニング用サポートタイツ、ソックスなのでセーフ。
下着、Tシャツなどはなるべく薄くて軽い素材の物を選んで持って行くと良いと思います。
綿100%の素材などは肌触りは良いものの、とにかく乾きません!

ホテルの部屋にはあまり引っ掛けるような構造物はないのが普通ですが、負荷がかかりすぎないように注意しながら外窓のカーテンレールや送風口、ドアや浴室のカーテンレールなどに結んで使います。

ポイントは、濡れた衣類をそのままロープにかけずに、バスタオルなどでくるんだままやさしく絞ってあげること。余分な水気がバスタオルに吸い取られて乾きやすくなります。洗濯機で言うと「脱水」ですね。
ここまでしてあげれば、ホテルの部屋の空気は年がら年中乾燥していますので、あとはわりと一瞬で乾きます。最後にスクラバの本体を乾燥させるのも忘れてはいけません。

旅先での洗濯に最適な洗剤はこれ一択!

いくつもの洗剤を試しては旅先で失敗してきましたが、今は最適解が見つかりました。

洗剤は定番商品をセレクトして販売している「THE」ブランドの「The Laundry Detergent 詰め替え 450ml」を買って、無印の小さいボトルに詰め替えて使っています。

この洗剤はすすぎをしなくても良い上に、最終的に微生物によって水と二酸化炭素に分解されることが証明された生分解性洗剤で、神奈川県にあるがんこ本舗の洗剤「海へ・・・」のOEM商品です。
丸の内のKITTEとかでも買えるんじゃないかな。

すすぎがいらないと言う旅先での洗濯に適した機能を備え、環境への配慮が行き届いている非常に優れた製品です。
香りも実際にそのへんに咲いているラベンダー香りに近く(北海道民が言うので間違いありません)、合成香料のようにウソっぽいイヤな臭いがありません。服に袖を通すたびにとても良い気分になります。

たくさん買って応援したいんですが、旅先での洗濯ではほとんど減らないのが悩みです。

まとめ:旅の服を減らしたいなら洗えばいい

日数分の着替えを持ち運ぶことで巨大なキャリーケースが必要になってしまうところを、自分で洗濯することで衣類を大幅に減らすことが可能です。

旅先で手洗いとか、めんどくさいわーと思いますよね。
しかし、1日のスケジュールや時間の使い方、服の素材から洗剤の機能に至るまで、一つ一つ細かい部分を改善して行くと、驚くほど快適にモバイルランドリーを活用できるようになり、ホテルの誰が使ったかわからない上に、いつまで経っても一向に乾く気配がない洗濯乾燥機など使う気がしなくなります。

服が多くて荷物が減らせないなーと言う時に、一度モバイルランドリーを試してみてはいかがですか。